「教師に髪切られ不登校に」
元生徒 山梨市提訴へ
山梨日日新聞 2019年11月02日
峡東地域の中学校で2016年、教諭が女子生徒の髪を切った後、生徒が不登校になった問題で、元生徒と両親は1日までに、元生徒が心身の健康を害したなどとして、国家賠償法に基づき学校設置者の山梨市を相手取り、慰謝料約700万円を求める訴訟を甲府地裁に起こす方針を固めた。いじめをしたとする同級生と親に対しては、慰謝料約500万円を請求する民事訴訟も起こす。
元生徒の母親や代理人弁護士によると、元生徒は16年6月に校舎の廊下で教諭に髪を切られて以降、適応障害などから不登校になったとしている。「市は学校を適切に管浬する責任があった」として、慰謝料を請求する。
また不登校になる前に「同級生から身体的な特徴に関していじめを受け、精神的苦痛を受けた」として、同級生と親に慰謝料を求める。いずれも8日に提訴する。
母親は取材に「教育を受ける機会を奪われ、今後の就労にも大きく影響する。学校設置者である市の責任は重い」と話した。
元生徒と両親は今年1月、当時の校長や教員計4人について、傷害容疑で甲府地裁に告訴状を提出。6月に不起訴処分となった。山梨市教委は2月、問題を調べた第三者委員会の報告書を公表。報告書では、元生徒が教諭に髪を切るよう依頼したと判断した上で、保護者への意思確認を怠ったことなどを「不適切な対応だった」と指摘した。
〈宇賀神将樹〉
出典
『山梨日日新聞』2019年11月02日、26面