日本刀横領 被告に懲役5年求刑
福井地裁 検察「態様悪質」
福井新聞 2018年07月04日
複数の客から預かった日本刀を返却しなかったとする業務上横領や銃刀法違反(所持)などの罪に問われた福井市照手1丁目、刀剣類販売・修理会社「勝山剣光堂」代表取締役勝山智充被告(49)の論告求刑公判が3日、福井地裁(渡邊史朗裁判長)であった。検察側は懲役5年、同社に対し罰金20万円を求刑し、模造拳銃2丁の没収を求めた。弁護側は一部模造拳銃の所持を除いて無罪を主張した。
検察側は論告で、業務上横領罪について「被告独自のルールで刀を返却せず態様は極めて悪質」と指摘するなどした上で、「何ら反省も見られない。今後も同様の犯行を繰り返す恐れがある」とした。
弁護側は最終弁論で「民事上の債務不履行に過ぎない。架空名義での名義変更も横領行為に該当しない」と主張。銃刀法違反罪は「被告に専門的知識がなく(小銃を)発射できる認識はなかった」などとした。
勝山被告は「世間を騒がせておわびしたい。ただ、修理を依頼しながらお金を踏み倒そうとする行儀の悪い人を叱責するのは当然。うまく対応できなかったのが反省点で、返すつもりがなかったわけではないことを強く言っておきたい」と最終陳述した。
被告は、客から預かった刀を返却しなかったなどとして、業務上横領3件と強制執行妨害、銃刀法違反(所持)の計5件の罪に問われている。法人としての同社は銃刀法違反(所持)罪に問われている。
判決公判は9月18日。
出典
『福井新聞』2018年07月04日、27面