刀を偽装工作し返却、方法は稚拙
横領容疑で3度逮捕の男
福井新聞 ONLINE 2016年07月28日 17時00分
日本刀などの横領容疑で福井市の男が3度、逮捕された事件で、このうちの一つの事件で横領したとされる刀について、男が裁判所の命令で被害者に返却する際、模造刀を用意した上、刀工が刻む「銘文」を偽造していたとみられることが27日、関係者への取材で分かった。偽造する際、刀にペンキを塗って厚みを出し、銘文を刻むという稚拙な方法で行っていたらしい。
男は刀剣類販売・修理会社「勝山剣光堂」代表取締役、勝山智充容疑者(47)。
関係者によると、模造刀を偽造したとみられるのは今年5月、業務上横領の疑いで逮捕された事件。被害者の福岡県久留米市の男性(65)が2013年5月ごろ、修理のために日本刀1本とさやなど数点(時価約25万円相当)を同容疑者に預けたが、返却されなかったため同10月に提訴。昨年7月、福岡地裁が返却を命じる判決を下した。
同容疑者は判決を受けた裁判所の差し押さえに、ステンレス製の模造刀を提出。刀の銘文は、黒いペンキのようなものを塗った上で、本物のものを刻む偽装工作が施されていた。しかも銘文の文字の一部は誤っていたという。刀身を柄(つか)に固定する目くぎを通す穴はなかった。
偽装工作したとみられる模造刀。
本物の銘文と異なり字体が雑な上、
「長運斉」が「長運矢」と誤っている
出典
- http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/accidentandincident/100976.html {at, wm}
- http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/60885 {at}
- http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/gallery/60885?ph=1 {at}
- http://sokuhou.fukuishimbun.co.jp/news/20160728p1.html {at, wm}
- 「福井・日本刀横領容疑の男 刀偽造し被害者に返却 ペンキ塗り銘文刻む」『福井新聞』2016年07月28日、31面
関連情報
- 長運斎綱俊 < ウィキペディア
- 「真剣と偽り模造刀『強制執行は失敗』福井地裁公判で横領被告」『福井新聞』2017年09月28日、27面 {kn}
- 公判で執行官が大失態! < 鬼手仏心 < FC2ブログ(社会問題被害者救済センター)2017年10月14日
備考
上記の模造刀を「おおむね本物と一致する」と鑑定して執行官に回収させたのは、この強制執行に立ち会った福井県教育委員会の銃砲刀剣類登録審査員であった。その後、当該審査員は福井県に辞表を提出したが、県側は受理を保留しているとされる。
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