催事に公共工事費
県、落札業者に250万円指示
朝日新聞 2019年03月14日
県が、今年発注した公共工事費の一部を小松市内で開かれた民間団体が主催する「粟津街なか線完成を祝う会」のイベント費約250万円の支払いに充てていたことが13日、県などへの取材で分かった。担当した県南加賀土木総合事務所は「(イベント費は)別途に発注すべきだったかもしれないが、100万円超の契約は入札が必要で時間がなく、異常な手続きになった」と釈明している。
「祝う会」を主催したのは粟津温泉街区まちなみ協議会。昨年8月23日に開催され、谷本正憲知事や和田慎司・小松市長、県議らも出席した。県南加賀土木総合事務所によると、このイベント費の支払いを粟津温泉街の道路を拡幅・無電柱化する「都市計画道路粟津街なか線街路整備工事」の一部を落札した小松市内の建設会社に指示した。その後、県はイべント費を同整備工事の現場環境改善費の式典費として追加計上する設計変更を行った。
県南加賀土木総合事務所の山崎章所長は「6月に協議会から祝う会を開催すると聞いて、県としてお手伝いしようと思った」としている。一方、受注業者の幹部は朝日新聞の取材に対し、「県に当初の設計書の中にイべント費用が埋め込まれていると言われ、支払わざるをえなかった」と証言する。
この県の支払いをめぐっては、イベント費を捻出するために発注段階で水増し設計をした疑いがあるなどとして、福井市の男性が県職員2人に対して、背任と強要の容疑で金沢地検に告発状を提出している。
出典
『朝日新聞』2019年03月14日、朝刊、石川版、13版、30面