原告「全面勝訴」喜ぶ
旧武信不正融資訴訟が和解
元理事長ら7千万円支払い
福井新聞 2018年02月10日
旧武生信用金庫(現福井信用金庫の不正融資問題で、同信金が元理事長の2人に対し12億円余リの損害賠償を求めた訴訟と、同信金出資者である会員約20人が2人以外の元役員10人にも同融資の責任があるとして損害賠償を求めた会員代表訴訟は9日、福井地裁で和解が成立した。同地裁は被告側の一定の支払い義務を認め、被告側も受け入れた。会員代表訴訟団の村内光晴団長らが福井市内で会見し「元理事長2人をはじめ、役員全員が支払う内容で『全面勝訴的和解』と自負している」と述べた。
信金に提訴されていたのは元理事長2人、会員代表訴訟で提訴されたのは当時の理事長6人、監事4人。地裁は回収困難になった約1億円の損害の責任が被告全員にあると認定。融資への関わりの程度などから解決金計約7千万円を支払うよう和解勧告していた。
和解では解決金として元理事長が3千万円、もう1人の元理事長が1700万円の信金への支払い義務を負う。元役員10人の支払い義務は55万円から880万円。一方、信金は解決金をもって融資に関する経営責任を果たしたと認めるとしている。
福井信用金庫は「裁判を踏まえ、一層健全な金庫運営に努めたい」とコメントした。
訴状などによると元理事長2人が2004〜11年、越前市の酒造会社に不正融資。旧武生信金は、回収の見込みがないにもかかわらず、巨額の融資を続行した。残髙を15億円近くまで膨れ上がらせた上、迂回融資を繰り返した結果、大部分を貸し倒れ処理し同信金に損害を与えたとした。また、元役員10人にも融資の実行責任や監視責任があったと主張していた。
出典
『福井新聞』2018年02月10日、21面