被害回復へ道半ば
福井新聞 2017年09月21日
インターネットサイトを舞台に全国に被害を拡大させていた日本刀横領事件が、民事訴訟で一つの節目を迎えた。福井など13府県20人が刀剣などの返還を求めた集団訴訟は、原告側の主張が認められ 「全面勝訴」(被害者の会)となった。ただ被告側が素直に返還しない可能性もあり、強制執行による回収に至ることも十分あり得る。被害回復へはいまだ道半ばといえる。
「勝手に転売され刀がなくなっていたり、さびなどで損傷していたりすることも想定される」(同会)ため、損害賠償を求め提訴する可能性もあり、被害者の何人かは元通りに刀剣などを手にするには時間がかかりそうだ。同会の村内光晴事務局長は「被害者を最後まで救済するため闘いは続く」とする。
同会に相談しているのは22都道府県64人。今回の判決で被告側がよりどころにしていた契約条項に基づく主張がすベて退けられたことから、新たに返還を求める集団訴訟に向けた動きもある。
今回は20人が原告に名を連ねたことから着手金5万円、刀などが回収できた場合は品物評価額10%の成功報酬で提訴できたという。全国の被害者に集団訴訟への参加を呼び掛けている。
問い合わせは同会=☎0778(44)[4字削除](平日午前9時〜午後5時)。
出典
「業者側に刀剣返還命令 福井 横領事件 集団訴訟で地裁判決」『福井新聞』2017年09月21日、27面