別の刀も横領疑い
福井署など 男を再逮捕 否認
福井新聞 2016年06月08日
修理を依頼された日本刀を返還しなかったとして、業務上横領の疑いで福井市の男が逮捕された事件で、福井署と県警捜査2課は7日、別の日本刀を返却しなかったとして、同容疑で男を再逮捕した。同署によると「事実と違う」と否認している。
再逮捕されたのは、福井市照手1丁目、刀剣類販売・修理会社「勝山剣光堂」代表取締役、勝山智充容疑者(47)。
再逮捕容疑は2014年10月ごろ、富山市の自営業の男性(64)から、鞘や柄の制作を依頼された際に預かった日本刀1本やつばなど数点(時価約50万5千円相当)を返却せずに横領した疑い。
同署によると、被害者の男性は、鞘や柄など「こしらえ」の制作を勝山容疑者に依頼して日本刀を預けたが、半年以上たっても連絡がなかったため、問い合わせたところ、誹謗中傷するメールが送られてきたという。このため男性が返却を求めたところ、迷惑料やキャンセル料を要求して返却しなかったらしい。
男性は15年8月、福井簡裁に民事調停を申し立て、同年9月に代金と引き換えに刀を返却することで成立した。男性が同月中に代金を支払っても刀を返却しなかったため、同署に被害届を出した。
同容疑者は13年5月ごろ、福岡県久留米市の会社社長の男性(65)から、修理のために預かった日本刀1本とさやなど数点(時価約25万円相当)を返却せずに横領したとして今年5月18日、業務上横領の疑いで逮捕されている。福井地検は7日、同容疑について処分保留とした。
同署の捜査本部には同容疑者が刀を返さないなどといった相談が事件着手後、約40件寄せられており合計約70件となった。福井新聞社の調べでは少なくとも10都府県の刀剣愛好家らとトラブルになっていると見られる。
出典
『福井新聞』2016年06月08日、29面