緑の募金 事業報告集 平成16年度
社団法人 国土緑化推進機構 2005年06月前後
特定非営利活動法人 EPO
〒910-0024
福井市照手1-9-3
☎ 0776-23-3527
【募金事業の概要】
事業の目的は地球温暖化防止のためのC02削減であり同時に現地の諸問題(塩害と砂漠化)にも対応する。この植樹で約8年後には合計約35,000t分のCO2削減が期待できるもので、炭素固定量は推定25,000tに及ぶ。EPOの地元である福井県のC02削減目標3%に対し、約13%(総排出の0.35%)を達成した事になる。
県内ではなかなか実現できないCO2削減を、EPOは諸外国で実施し、コスト削減と現地の環境ニーズに合致した効率化も同時実現に至った。同連の気候変動枠組条約の規定に沿った実施内容であり、今後は西豪州政府筋関連の合法的認証を受ける予定である。
参加者の感想として、民間レペルのNPOで国際的温暖化対策の実施は難しかったが、現地のNPOや農家の協力を得ることができ、また現地ニーズにも答える事ができて、しかも低コストで実施できた事が更なる自信と希望を生み出してくれた。
出典
社団法人 国土緑化推進機構『緑の募金 事業報告集 平成16年度』(2005年06月ごろ)109ページ
備考
NPO法人EPOの公式サイトでは、国土緑化推進機構から得た交付金でオーストラリアで植樹をしたのは2004年4月となっている。ところが上記の報告書によれば同年6月27日、28日、29日の3日間となっているのである。また、勝山が参加した植樹会を主催した民間企業 OMC のプレスリリースは同年6月29日付であった。ちなみに交付金の使用期限は同年6月30日である。駆け込み乗車ないしは滑り込みセーフだ。公式サイトの日付が異なるのは、そのことを隠すためであろう。
報告書の文中に見られる「西豪州政府筋関連の合法的認証」という表現は、EPOの公式サイトでは「西豪州政府筋関連の合法的許可」と言い換えられている。いずれも奇っ怪な日本語であるのに加えて、それが具体的に何を指すのかは、どこを見てもわからないのだが、どうやら勝山が自作したとおぼしい植樹証明書に結びつくようだ。それを勝山は折に触れては見せびらかしていたようだが、2005年3月ごろNHKで取り上げられたことにより、勝山の信用を高める上で大いに役立ったようである。
EPOの公式サイトを見ると、どうやら勝山は植樹体験ツアーの参加者を日本で募集し、オーストラリアに送り出して、植樹証明書を土産に持たせるビジネスをEPOの活動の中核に据えるつもりでいたらしいことがうかがえる。勝山が帰国後、盛んにアピールしていた「証明書」なるものの不自然な体裁は、そうした目的に特化したものと考えると納得できなくもない。つまり「EPOの植樹ツアーに参加すると、もれなく自分の記念写真入り証書がもらえます」という宣伝だった可能性があるということだ(そんなものを欲しがる人間が勝山以外にいるとは思いにくいのだが)。なお、そのビジネスが日の目を見た形跡はない。勝山がEPOの活動として行っていたことのうち、はっきりと確認できるのはインターネット・オークションを通じた刀剣類の販売業やパソコンのサポート業、そしてウェブサイトの制作・管理代行業ぐらいである。いずれも環境問題とは何の関係もない収益事業ばかりだ。ウェブサイト制作・管理代行業はEPOの公式サイトを通じて「NPOならではの格安 市場価格の半値以下で請負います」と宣伝されていたが、地元の商店や企業を中心に一定の需要があったようである。ほとんどの依頼主が違う業者に乗り換えたり廃業したりで、EPOの業務として制作されたサイトは現在までに、そのすべてが失われたように見えるのだが、おそらく最後まで残っていたのは武生にある大きな飲食店のものではないかと思う。勝山の逮捕後も2年近く維持されていたが、その後、ドメインが海外の業者の手に渡り、現在は見るからに、いかがわしいサイトと化している。
なお、勝山は英語を理解しないためオーストラリアでは通訳同伴であったようだ。たった3日間とはいえ、その間ずっとプロの通訳を雇っていたのだとすれば、それだけで相当な出費になったはずである。ちなみに、勝山はEPO関連で相当大きな借金を背負い込んだとの情報もある。